症例紹介、学会発表など
当院での症例や病気に関する事や、学会発表に関する事を紹介させて頂きます。
症例紹介
眼科領域にできる悪性腫瘍について
眼科領域の腫瘍は発生する場所で眼瞼腫瘍(まぶたの腫瘍)、眼内腫瘍(眼球の中の腫瘍)、眼窩腫瘍(眼球の周りの腫瘍)の3つに分けられ、それぞれ良性と悪性があります。今回はその内、悪性のものについていくつかお話します。
まず眼の中に生じる悪性腫瘍についてです。
乳幼児に生じる網膜芽細胞腫と成人に生じるぶどう膜悪性黒色腫と転移性腫瘍が主なものです。網膜芽細胞腫の発生頻度は国内で年間約80人です。子供ですから見えにくいなどの訴えがなく、ある程度腫瘍が大きくなり瞳を通して白く光って見える白色瞳孔と呼ばれる状態になって見つかることが多いです。ぶどう膜悪性黒色腫は虹彩、毛様体、脈絡膜に多く含まれるメラニン細胞ががん化したものを指します。症状は腫瘍の大きさによって異なりますが、多いのは視力低下、視野異常です。ただ年間発生率は1000万人に対して2.5人で稀な疾患と言えます。いずれも治療は眼球摘出、放射線療法、抗がん剤治療などです。転移性腫瘍の場合も症状は視力低下、視野異常、飛蚊症などですが、他の症状で眼科を受診し検査を受けた際に偶然見つかることも多いです。治療は腫瘍の部分にレーザー光線をあてて凝固したり放射線治療を行います。
最後に眼瞼(まぶた)にできる悪性腫瘍について、これは主にご高齢の方に多いのですが、最初はものもらいとして治療されることもあります。切除しても何度も再発する場合や徐々に大きくなる場合は悪性の可能性も否定できないので専門医を受診されることをお勧めします。
視神経乳頭陥凹と緑内障の自己チェック
視神経乳頭陥凹とは
最近、人間ドッグなどで視神経乳頭陥凹の拡大を指摘され、要精密検査といわれる方が増えてきました。何を意味することか分からず受診せず過ごしておられる方も多いのですが、これは“緑内障の疑いがあります”ということです。脳と眼球をつなぐ視神経は眼球側からみると円形でオレンジがかった色をしています。その中央部は凹みがあり白っぽくみえます。この範囲が大きくなっている場合に視神経乳頭陥凹拡大といって視神経のなかの神経線維の数が減少していることを示唆します。
緑内障はこの陥凹拡大の結果として視野に欠けた部分がでてくる病気です。放置すると徐々に進行し日常生活にも支障をきたすことがありますので、眼圧が正常でも眼圧を下げる点眼薬が必要になります。一度失われた視野は戻ることはないので進ませないように治療が必要なのです。
ただ陥凹拡大がある方全員が緑内障というわけではありません。視力、視野、眼圧などに異常がなければ緑内障ではなく、経過観察のみでいいという方も大勢おられます。いずれにしても早めに眼科で検査を受け緑内障なのか、違うのか診断を受けられることをお勧めします。
緑内障の自己チェックについて
緑内障とは視神経が気付かぬうちに傷ついて視野が狭くなり進行すると失明もありうる怖い病気です。日本人の40歳以上の20人に1人が緑内障を発症し、中途失明の原因のトップにもなっています。しかし有効な予防の手段はなく、治療も病状の進行を食い止めることが目的で治すものではないことから早期発見がなにより大切です。できれば年一回は眼科で検診を受けることが望ましいのですが、無理な場合の自己チェック法について述べます。
- テレビ画面を番組が放映されていない砂嵐状態にする。
- 画面中央に直径5mm程度の円形のシールを貼る。
- 画面の縦の長さと同じ距離から、眼鏡やコンタクトをつけたまま片目でシールを見る
- 砂嵐の中に動かない部分や黒く見える部分、まったく見えない部分がないか確認する。
以上の方法で試してみられて、もし何か異常があった場合は早めの受診をお勧めします。
講演・学会 他
当医院の院長、麻生順子に関係する、講演・学会歴 他の紹介です。
- H24年9月8日
- 長崎オキュラーサーフェス研究会にて「睫毛乱生に対するレーザー治療」を発表
- H23年12月11日
- 長崎眼科集談会にて「トーリックIOLの使用成績」を発表
- H00年00月00日
- 第63回臨床眼科学会機器展示
2009年10月9日から12日まで福岡市で開催された第63回臨床眼科学会機器展示において、当医院 院長麻生順子の執刀によるHOYA株式会社製白内障治療用眼内レンズiMicsを用いた 水晶体再建術(白内障手術)と株式会社ニデック製炭酸ガスレーザー手術装置COL-1015を用いた眼瞼下垂症手術が、それぞれのブースにて放映されました。
本の紹介
当医院の院長、麻生順子に関係する本の紹介です。
本書の、
- 眼瞼下垂の原因は?
- ホルネル症候群とはどんな疾患ですか。その診断にはどのような点眼薬が使用されるのですか?
- 麻酔に使用する点眼薬にはどのようなものがありますか?
- 手術後の点眼薬はいつまで使用するのですか?
の章に出筆させて頂きました。